we're ok
essay by Nao Ashidachi
5/3/2020
なぜyour night magazineを始めたのか、その根底にある自分自身のことを今回綴っていこうと思います。
結論から言うと、パニック障害という病気をここ15年に渡って繰り返してきました。
今となってはこの病気が自分を形成して言ってると言っても過言ではないくらい共に歩んでいるいるのですが、きっとパニック障害や不安障害、うつ病などで思うように生きられない、体調が悪い、という方もものすごくたくさんいると思います。
私は写真家としてこれまで写真という表現で発信してましたが、それに加えて「安心」を与えることができたらいいなと思っています。なぜなら自分自身が辛い時ものすごく救われたかったから、わらをすがる様な思いで「安心」というものが欲しかったです。体験を共有することによって不安を抱える方が一人じゃないんだよってどうか安心できますように。
まず私の体調がこの15年どう変化して行ったか表を作りました(まさかの手書き写メ!)
一番はじめに体がおかしいなって思ったきっかけは社会人2年目、当時銀行に勤めていました。部署の先輩含めいつも8人くらいの割り当てられたグループで社食にてランチを食べていたのですが、ある日猛烈な吐き気がしてトイレに駆け込んだのですがとくに何も戻さずけれども何故かランチの席に戻ることが怖いということがありました。その後もランチになるとその恐怖感がこみ上げてくるようになって、例え席についても食欲が全く湧かずランチは食べれなくなっていきました。
そんなことが何日も続き、胃腸の調子がきっと変なんだと思って内科に行きました。もちろん体で異常な部分もなし。最後に先生が「最近つらかったことはありますか?」と聞かれて「いや、とくに…」という台詞を準備していたのですが無意識に涙腺が崩壊して呼吸ができなくなるくらいの状態になってしまいました。自分でもすごくびっくりしました。その涙と嗚咽がどうやっても止まらなくて、結局最後までその先生と会話もまともにできなかったのですがその先生は心療内科の紹介状を渡してくれました。
自分はストレスとは無縁だと思っていた矢先の出来事でした。
当時は銀行業務2年目、少し責任のある仕事を任されるようになって大変に感じていましたが人間関係はとても良好。プライベートでは今の旦那さんと婚約していて半年後には入籍予定でした。お酒も好きで週に2,3回は飲みに行って何もない日はジムに行ったりと客観的に見てもお気楽で楽しそうなOL生活を送っていたと思います。実際そうでした。何がきっかけで不調を起こすかなんて本当に誰もわからないです。自分自身が一番驚きました。強いて言うなら性格的にとても人に気を遣うことが多くあまり人に相談事をするタイプではなかったです。後々わかったことはストレスによって体調不良を起こすのは生まれ持った体質によることも多かれあるので私は体質的にストレスを発散することが苦手だったのです。もちろん原因は一人一人違うと思います。決して精神的な弱さからくるものではないです。
心療内科に通いつつも、日常生活でできなくなることがどんどん多くなって行きました。
・電車に乗れない
・映画館に行けない
・レストランや喫茶店に入れない
・エレベーターに乗れない
・横断歩道で後ろに人がいると立ち止まれない
・お会計のレジの列に並べない
これは典型的なパニック障害の症例でした。全て恐怖に思えてしまうのです。簡単に言えばパニック障害は自律神経失調症がこじれたものです。
まだ会社勤めだったので徒歩で会社まで行き、階段で6階のオフィスまで登り、お昼は1人で公園で取るようになりました。
自分の体力を使うことは恐怖感に遭遇するより全然平気だったのですが、なんでエレベーター乗らないの?お昼一緒に食べようよ、などと聞かれるのが本当に辛かったです。今思えば全てを打ち明ければ良かったのですがその当時は人に変に思われたくない、心配をかけたくない一心で詳しくは説明しませんでした。今まで通り、いたって元気であることを見てもらいたかったです。
会社に通うことも限界になり、親が見かねて会社に電話かけたことを思い出します。社会人にもなって親が上司に電話をかけるなんてあり得ないって一応常識を心得ていた親子でしたが、よっぽどだったんだと思います。その日から1ヶ月休職して、その後退職しました。同じチームの皆様には本当に迷惑をかけました。
でも会社に行かなくていい、という半端ない安堵をもらえました。
これで体調も良くなるんじゃないの?って思われますがそうでもないんですよね。
ここから言うことを聞いてくれない自律神経と私との歩みが始まります。
メンタルクリニックから処方されていたお薬についてです。
最初は緊張を無くさせる漢方を出されましたがうんともすんとも様子が変わらず続いて抗不安薬のタイプのお薬。
覚えている限りでリーゼ、ソラナックス、ハルシオンというものを1つずつ試すような形でしたがこれもとくに効果を感じることができませんでした。なので抗うつ剤の部類に入るパキシル(パロキセチン)を処方されました。副作用がかなり強いと言われたので完全に休職してから飲み始めました。
強烈なダルさと吐き気、眠気が副作用をしてあったので最初の2週間くらいほぼ寝たきりだったのですが確実に効果を感じた薬です。パニック障害の特効薬とも言われているのですが断薬も難しいので薬と併用しての自立も頭に入れておかなければいけません。
けれども、これでなんとか通常の生活がとてもしやすくなります。
私は去年からまた少量ですが服用しています。
ちなみにはじめての断薬は妊娠の時でした。妊娠した際は使用をやめるよう事前に言われてました。つわりもひどかったので何のダルさかよくわからず結果乗り切りました。
体調が良い時でも外出する際にいつもお守りみたいに持っているもの
・大きめのハンカチ(電車内などで変な匂いを感知した時)
・ビニール袋(気持ち悪くなった時)
・どこからタクシーを使ってもいいようにある程度の現金またはカード
自分の都合で降りれるタクシーは割と平気で、待ち合わせなど時間に指定があるときなどどうしても電車が無理で移動を要するときに使ってました。そして使用したとしても罪悪感を感じることをやめました。時間にゆとりがあるときは何駅も歩いています。
後、個人的なことですがカメラを持っているときは具合いが悪くなったときはないです。
現場に行くまでは苦労したりすることもたまにあるのですが、不思議と脳が切り替わって自然と気持ち悪さが無くなってたりします。奇跡的に撮影の約束は体調不良でドタキャンをしたことが一回もないです!今思えば。ランチの約束は…キャンセルけっこうあります涙
緊張する神経を抑えるため、カフェインをものすごく控えて禁煙もしました。コーヒーはものすごく好きで完全にやめることは逆にストレスになるので今はデカフェのものを頼んで飲むようにしています。カフェインを抑えたらとても調子が良い気がします。抗うつ剤とお酒を併用することはとても危険なのでお酒を飲む日は薬を飲まないというように、1日薬をスキップしたりしていますが、かなりお酒を飲む回数は減りましたね。それはちょっと寂しいところではあります。
自律神経を調整するために考え方を変えることはすごく難しくて(例えば不安なことではなく楽しいことを考えようなど)、体外的、物理的にできる生活習慣だったり食べ物、運動などを工夫して見て自分に合うものを見つけられるといいですよね。
前回、パニック障害のことについて書いたらとても多くのDMをいただきまして非常に驚きました。ご自身もパニック経験したことあるなど、経験はないけど知れて良かったなど。戸惑いはありましたけど書いて良かったと思いました!
引き続き少しでも何か思うことありましたらお気軽にご連絡ください。
やっぱり写真っていいなぁって思います。
zineを抜粋した写真をたくさん載せています。病気のことばかり書いていたら精神がすり減ったことは確かです。笑
また需要を見ながら適度に綴って行きたいと思います。
your night magazineの起源みたいなzineです。
"your night tokyo 弱い人は夜”
という薄いzineを以前作りました。
弱い人っていうにもたくさん解釈がありますが、わたしは決して強い部類ではないと思うし何となく響きが好きであててみました。
安心できる夜みたいな包みこんでくれるようなコンテンツを発信していけるよう、やって行きます。
私たちは大丈夫。we're ok